３周年企画１４

□遙か遠い昔に
千石 ほの甘？

□遙か遠い昔に



君に会ったことがある。
１年や２年前の話ではなく、ずっと昔に。


俺が朝一番にそれを伝えると、君は怪訝な顔をした。

「頭わいてんの？」
「いやだなー、本当だよー！」
「ない。だってそんな頭の知り合い居ないし。」
「そりゃそうだよ。地毛じゃないもん。」


こういうのを、先入観って言うのかな。
でもさ、君もちょっとツレナイよね。


「…本当に知り合いなの？」
「もも組、担任は理子先生。」
「…まじ？」
「さあ、どうでしょう？」


びっくりして見開いた目も可愛いけど、ちょっとだけ意地悪。

砂場で一緒に遊んだあの日々を、俺は宝物にしてるんだから。

お願い、早く俺を探して。